戸神社(とのじんじゃ)|式内社・旧社格・村社

祭神:大戸比売命/奥津彦命/品陀和気命
地元では「カマドの神」が祀られているという。

豊岡市日高町十戸字野18-1

旧312号線日高町江原で、郵便局の交差点を神鍋高原方面へ曲がり10分ほど車を走らせると十戸(じゅうご)の滝がある。

そこより更に上へ登ったカーブの右手に大きな石造りの社名標が道に面してみえる。
「式内戸神社」はカーブに気をつけながら運転していると、つい見過ごしてしまうような位置に鎮座している。

神社入口にはとても静粛な香りを放つ沈丁花の白い花がひっそりと咲いていた。
石造りの鳥居をくぐるとすぐ右手に竜神を配した「手水舎」がある。
鳥居の奥にある神門兼参籠所

参道を進むと、建物自体が門になっているようなものが建っていて(神門兼参籠所)、そこを通過すると目の前に巨木にピッタリとくっついたように建つ木製の鳥居がある。入口の鳥居~神門~木の鳥居・・・と次第に視野が狭められていくような凝縮感が生まれ、そのむこうには一気に広々とした空間が現れる。

実際にはそれほど広くもない境内なのに、二番目の鳥居の不思議な息苦しさのせいで、その奥の空間はまったく広くて神聖な気配に包まれた特別の場所だと思えてくる。何の音も聞こえず何も見えない。何者からも見られない人のにおいのない場所。
私が神社好きになった理由の第一番はまさにこの、人くささのない空間に立つ時の不思議な心地よさだ。

それにしても・・・・神門兼参篭所を通ってすぐにドーンという感じで行く手に立ちはだかる巨木は不思議な違和感を漂わせている。鳥居の前と後ろに二向かい立っていて、奥のほうの巨木の一方の根は苔の地表を一直線に横に這っており、二本の大木の間は一メートルにも満たない。1人で入ってゆくんだな・・・・と妙に納得してしまった。

苔の色も鮮やかな境内は意外なほどそこだけが明るく、境内社の名草神社(向かって左)へつづく横道の参道は急に薄暗くなる。
拝殿に向かって右には稲荷神社があり、境外社の厳島神社というのはどこだかわからなかった。

拝殿(上)とその屋根の菊の紋
入母屋造の拝殿と、その後ろに白い塗り壁の本殿覆屋

由緒沿革

創立年月不詳。承和9年(842)官社となり、貞観10年(868)従五位上に進叙された。
延喜式には名神大社となり、鎌倉時代には神田四町九反百歩を有していた。

宝暦9年(1759)本殿を再建し、文化7年(1810)同殿を造営した。明治6年村社となり、同42年三柱・八幡両神社を合祀した。
大正2年幣殿拝殿を新築した。昭和41年本殿覆再建、昭和46年神門兼参籠所再建、昭和50年拝殿屋根銅板葺き替え。

<境内神社>
名草神社/稲荷神社

<境外神社>
厳島神社

境内社の名草神社
稲荷神社

狛犬

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