中宿(なかやど)
わたしの場合のように、遠方から嫁入りする時に、お嫁さんと、その親戚一同は、お婿さん側の親戚の家などに、前日泊まります。
そこで、こちらの土地のあれこれを、あらかじめ話してもらったり、緊張をほぐすようなもてなしを受けて、長旅の疲れを取ってもらったり・・と、誠にありがたい風習でした。
私の家族も、親戚全部が同宿するような事は初めてだったので、明日が結婚式だという事を、しばし忘れるほどの盛り上がりようで、・・・・・・盛大な酒盛りが始まってしまいました。
しかし、お嫁さんは、そんな事は言っていられませんでした。翌朝は、4時に起きて、お風呂に入り、6時にはもう着物を着て花嫁支度は終わっていなければいけないのでした。
入り初め
結婚式というと、披露宴の場面が浮かぶ事が多いと思いますが、こちらでは、その前の式より以前の事がいっぱいありました。
まず、当日の朝早く、新郎の家に、新婦側の全員が行って、はじめてその家の敷居をまたぐ「入り初め」というのをします。
家の玄関のまえには、新郎側の親戚全員が並んで待っていて、お互いにあいさつをかわしながら花嫁を迎えます。
長老の挨拶
村内に住んでいる、一族の長老の人が、花嫁側の両親、兄弟、仲人に、歓迎の挨拶をします。
このときは、お嫁さんはその場にいません。
そのあと、一族の長老の大祖母さんによって、お嫁さんは、仏壇に参り、先祖に挨拶をさせられます。ここからは、そのおばあさんに連れられて、村のお地蔵さんへ、お参りします。
(いい子が授かりますように・・・の意味。)
嫁さん菓子
式へ向かう前に、近所の方への挨拶のため、お嫁さんは、隣保の女の人に連れられて、村を一回りします。
その時に、配って歩くのが、和紙の袋に入った、「嫁さん菓子」で、中身は駄菓子のような、いろんな種類の菓子が、少しづつ詰められています。
前日までに、家族によって、200~300も作られ・・・この菓子は、前掛けを広げて、一人が、幾つも貰ってもいいのです。
子供達も、これを楽しみに早くから集まり、村道には、人だかりが出来ています。
菓子の袋の中には、必ず、入っているのが、「菊せんべい」という縁起物のお菓子です。
この菓子配りの時に、別の親戚の人が、お神酒と赤飯をお宮さんへ供えに行ってくれています。
この菓子配りのころが、一番の盛り上がる時です。家にいるのであれば、必ず外に出て、お嫁さんを見て褒めてあげるのが、村の礼儀です。
式
村中の挨拶などが一通り終わると、いよいよ結婚式をあげに神社へと向かいます。
この間、入り初めから2時間くらいかかります。
なかなかしんどいですが・・・今となればいい思い出です♪
式・・・披露宴は、今も昔も、都会も田舎も・・・そうかわりはありません。
式に行くころには、もう、ひと仕事やっと終わったな・・・という感じで、私は、くつろいでしまって・・・・つぎに来てくれるお酒をどんどん飲んでしまい、・・・仲人さんに「お断りしてもいいのですよ」などと、たしなめられてしまいました(あ~~~はずかしい!!)
おかげで、緊張どころか、へらへら笑っていました。
以上で・・・私の結婚式のお話はおしまいです(^.^)
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