祭神:大山咋神と大物主神(または大国主神)
豊岡市山王町
豊岡駅近くの山王山にある「日吉神社」に行った。
朱塗りの橋が雨の中でくっきり浮き上がって見えた。
重厚な感じのする本殿はあいにくの雨でゆっくり見られなかったが本殿・拝殿の他いくつかの境内社があり、社務所の近くに絵馬堂があった。雨宿りしながら壁にかかった奉納絵馬を見て歩く。
江戸時代頃と思われるたくさんの絵馬はだいぶ色あせて細部ははっきりしなかったが当時の人々の娯楽や楽しみを髣髴とさせていた。
江戸時代の山王社(現在の日吉神社)は藩主・京極家が丹後・田辺より移封入国した寛文八年(1669)に先祖である佐々木氏の氏神・佐々木社を合祀した。そのために江戸時代を通じて藩士をはじめ町民の尊崇の的だったらしい。
山王社祭礼の9月21日を前にして18・19日には山王社祭礼角力の花銭集めの銅箱が氏子7町に回り、たくさんの寄付が寄せられた。
宵宮の20日には(文政13年の記録では)山王社拝殿で奉納囃子、宵田町に囃子狂言、下町には浄瑠璃床、横町には舞いなどが出て賑わったという。(豊岡市史より)
また、文政2年の「山王社勧進能番組」の記載には能の演目として「舟弁慶」「道成寺」「夜討曽我」「鞍馬天狗」「橋弁慶」「安達が原」・・・などが載っていて日吉神社絵馬堂にあった勧進帳などの絵馬は往時の祭りの賑わいを伝えている。
JRの線路が近いが、周囲を森に覆われているため大変静かで、春は花見のスポットともなる。
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